歯周病治療
当院の歯周病治療の特徴
当院は歯周病に強い歯科クリニックです。成人の多くが歯周病であるのに対し、全国でも数少ない歯周病専門医と、各分野のプロフェッショナルが一丸となって総合的な治療と予防を提供いたします。
歯周病治療は一般の歯科医院でも行うことはもちろん可能です。ただ実際には患者さんには「お掃除」と表現して行われることが多いと思われますが、「歯の表面をきれいにするお掃除」と歯周病の治療では内容が異なります。
特に歯周病治療を行う上で重要なことは歯ぐきを診る力です。今歯ぐきはどういう状態なのか、今後どのように歯周病が進んでいくか、無症状であるからこそその状態をを診る力が必要になってきます。特に重度まで進んだケースや進行の早い歯周病のケースは注意が必要です。
末期になってから気付き、歯を失ってから後悔しないよう、歯ぐきの症状がある方もそうでいない方も、ぜひ一度歯周病のチェックを受けることをお勧めいたします。
歯周病治療の診療方針
セルフケアの支援と食・生活習慣の改善により、患者様と当院が一体となって治療に取り組むことが出来るよう努めていきます。そしてご自身の歯を出来る限り保存し、ご自身の歯でしっかりお食事をとることの大切さをお伝えしていくとともに、その管理、サポートを行っていきます。
歯周病のセルフチェック
歯周病の場合、セルフチェックはなかなか難しいというのが本音です。
なぜなら自覚症状に乏しいですし、普段意識して見ることもあまりない歯ぐきの変化を見極めるのは非常に困難だからです。
残念ながら歯科に通院されていた場合でも、歯周病が既に進行しているケースも多く目にしてきました。ですからご自身で出来ることは定期的な検査を受けること、メインテナンスを受けること、これが最大の予防法です。
歯周病・歯肉炎について
歯周病とは
歯周病は歯の周りの歯ぐきに炎症が起き、それによってだんだんと歯を支える骨が失われ、最終的には歯がぐらぐらして抜けてしまう病気です。
日本人が最も歯を失う一番の原因であり、成人の8割以上は歯周病であるといわれています。ただし無症状で進行するため、ご自身で自覚されることは少なく、歯周病の罹患率に比べて受診率は非常に低いのが日本の現状です。
また、歯周病は、糖尿病や、動脈硬化(心筋梗塞、脳梗塞)、認知症、さらには早産や肥満などの全身疾患にも関与していることが既に分かっています。
歯周病は単なるお口の中の問題だけではなく、全身疾患のリスクになっているのです。
症状
歯周病で一番注意が必要なことは無症状で進行するということです。
- 歯ブラシで出血がある
- 歯ぐきが赤くふくれている
- 口臭が強くなってきた
- 歯が揺れている
- 歯ぐきから膿が出ている
このような症状が出ている場合は既に進んだ歯周病の可能性があります。
歯肉炎とは
歯肉炎とは歯ぐきが腫れている状態で、いわゆる軽度の歯周病のことを指します。
歯周病の一部ではありますが、まだ骨の方には影響が出ていない状態です。歯肉炎の状態が続くと次第にその影響は中の方までに及んでしまいます。歯肉炎のうちにしっかり治していくことが歯周病の進行を防ぐうえで重要です。
症状
歯肉炎は自覚症状がありません。歯ブラシで出血することが多いので、普段からよく歯磨きで出血する、という方は注意が必要です。また歯肉炎は幼いお子さんにもよく見る歯ぐきの状態ですので、特に症状や訴えがなかったとしても定期的に歯科医院でチェックを受けることをおすすめします。
歯周病になる原因とは
歯周病の原因はプラーク(歯垢)です。このプラーク(歯垢)を取り除かない限り、歯周病がよくなることはありません。
ただ残念なことにプラークは毎日日々つくられ、またそれが歯磨きで完全に除去できる訳ではなく、歯科医院でどんなにキレイにしたとしてもその後のケアが出来ていなければどんどんとお口の中の細菌は繁殖していきます。そしてそのプラークはどんどん積み重なりバイオフィルムという集合体をつくりだします。
例えるなら排水溝のヌメリがバイオフィルムです。バイオフィルムを形成するともはや洗口剤や薬も効かず、これらは根こそぎ表面から剥がしてとっていく必要があります。
歯周病になりやすい人とは
歯周病は加齢や遺伝でなると思われている方も多いと思います。確かに加齢による免疫力の低下や遺伝的な要素も関わっていることも歯周病を悪化させるひとつの要因として挙げられます。
しかし、歯周病は生活習慣病であり、一番はその生活習慣に多く影響を受けます。つまり年齢とともに必ずなる病気ではなく、正しい知識と予防方法を知り、生活習慣を改善することで未然に防ぐことが出来る病気なのです。
タバコは歯周病を悪化させる
大きなリスク因子です!
タバコには多くの化学物質が含まれており、その中でもニコチンをはじめ有害物質とされるものも数多く存在しています。
タバコに含まれる様々な有害物質により、免疫機能の低下や血流の低下、栄養・酸素不足が身体の中で起こり、それらによって歯周病は悪化していきます。また当然、治療しても得られる効果は小さく、喫煙されたままで歯周病が良くなることはほぼないと言ってもよいでしょう。
歯周病と全身疾患について
歯周病は多くの全身疾患と関連があることが既に分かっています。特に糖尿病においては合併症のひとつとして歯周病が挙げられています。
- 糖尿病
- 動脈硬化(心筋梗塞、脳梗塞)
- 認知症
- 肥満
- 早産・低体重児出産
- 誤嚥性肺炎
歯周病そのものが直接関与しているというよりは、歯周病による歯ぐきの炎症自体が様々な病気を引き起こしたり悪化させる原因となっています。
歯周病で抜歯を行った方が
良いケース
当院では出来る限りご自身の歯を残すことを目標に取り組んでいます。
ただし、残念ながらどんな状況の歯でも残せるというわけではありません。当院の様な専門医院であっても、重度まで歯周病が進行してしまった場合、抜歯をした方が良いケースもあります。
- 根の先端まで骨がなくなって歯がグラグラしている
- 骨の吸収が大きく隣の歯に影響が出ている
- 膿や腫れが酷く悪化傾向にある など
その場合は他の歯を守る為にも抜歯を勧めることがあります。
当院では「残しても良い歯」、「残さない方が良い歯」のリスク診断が出来ますので他院で抜歯と言われたが本当に抜歯をしなくてはいけないのかと悩んでいる方はまず一度ご相談下さい。
歯周病治療の流れ
精密歯周病検査について
初診時にはお口の中の写真撮影、レントゲン検査、歯周ポケット(歯と歯ぐきの境目の溝)の検査を行っていきます。
しっかりと検査をすることではじめて歯ぐきの状態、骨の状態を正確に診断することが出来るようになります。その他、症状や状態によっては細菌検査を行う場合があります。
より精密な歯周病検査を提供/保険診療
当院ではより精密な歯周病検査を行っています。一般的な検査よりも少し時間はかかりますが、その分しっかりと状態を把握できるようになります。精密検査も保険診療の範囲内で行っておりますので安心してお受け下さい。
治療方法
日本歯周病学会の治療指針に沿って治療を進めていきます。
とにかく歯周病を治すうえで一番必重要なことはご自身での歯ブラシ(セルフケア)です。その部分が欠けてしまいますと、どんなに歯科医院で処置を続けても成果が伴いません。歯周病は生活習慣病なので、ご自身と、私たちが一体になって取り組んでいかなければなりません。まずはご自身で歯ブラシがきちんと出来るよう、そのサポートをしっかり行っていきます。
治療期間
歯周病は虫歯治療と異なり、治療回数を明確に提示するのが非常に難しい病気です。
なぜならご自身の歯ブラシ状況、免疫力、細菌の種類や量、生活習慣、全身疾患等、多くのにことに影響を受けるからです。
例えば同じ回数処置を行い、症状が良くなる方と良くならない方がいらっしゃいます。
また、歯周病は継続的な管理が必要で、その中で病状が安定することを目指していきます。ですから本来は生涯管理をしていかなければいけない病気なのです。
とはいっても、通院期間が決まっている、なかなか時間が取れないなど、それぞれの背景があると思います。
今の状況と必要な処置、適切なメインテナンス間隔などお伝えし、患者様とご相談しながら出来る範囲で進めてまいりますのでどうぞご安心ください。
保険治療の限界や制限など
保険診療では多くの制限を受けるため、本来中等度~重度のケースでは治療が難しい場合があります。
その場合は歯周病専門治療(保険適応外)をご紹介させて頂く場合がございます。
歯周病専門医治療とは
基本的に歯周病の初期治療は衛生士が担当しますが、歯周病専門医治療では歯ブラシの練習以外を全て歯周病専門医が担当します。(はじめは必ず衛生士による歯ブラシの練習が必要です)
保険診療では1日で行える処置や時間に制限があります。軽度の歯周病であれば保険診療の範囲内でも問題ありませんが、中等度~重度の歯周病は、その中で全て対応するのはなかなか難しいのが現状です。
自費診療では使用する器具やお薬、時間など規制を受けることがないのでその方に合った最善の治療を行うことが出来ます。ご不安な方もまずは検査を受けて頂き、その上でご相談しながら進めていきますので、お気軽になんでもご相談下さい。
歯を最大限残すための治療を
こちらから強く自費診療を勧めることは一切ありません。あくまでも歯を最大限残すための治療の選択肢、と考えて頂きたいと思います。他院で抜歯と言われたが本当に抜歯をしなくてはいけないのかと悩んでいる方はまず一度ご相談下さい。